転勤族サウナ愛好家の小規模な生活

関西出身の熊本在住サウナ愛好家。大学進学でおんせん県、就職し彩の国→かごんま→くまモン県と津々浦々と渡り歩く。二児の父らしい。日々あったことをつらつらと書き連ねていきます。

テントサウナをしてわかったこと

2019年は数々のサウナを巡る機会に恵まれた年であったが、1番大きな変化は念願のテントサウナを購入したことである。前々から欲しい欲しいと思っていたが、ノリと勢いだけで購入して使ってみると本当に楽しい。調子に乗って2台も購入してしまった次第である。何回もやるうちに色々とわかったことがあるため、これからテントサウナを購入する人の一助に少しでもなればと思い、気付きをまとめていきたい。

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①薪

テントサウナの1番の肝は薪だろう。とことん薪にこだわるのもいいし、こだわらずに様々な薪を試してみるのもいいと思う。ただ、一つわかったことは十分に乾燥させた薪を使うのが1番理想だ。薪の理想的な水分含有率は20%以下だそうから、保管時にも多くの面積を空気に触れさせて薪を十分に乾燥させることさえ出来れば、テントサウナはほぼ成功ではないだろうか?針葉樹・広葉樹とも十分に乾燥していれば、燃焼してもススはほとんど出ないようだ。

薪の種類によって火力や持続力も違うそうで、詳しくは下記の表をご覧になって頂きたい。一般的に密度の高い広葉樹は火持ちが良く、暖める力が高いのが特徴。針葉樹は着火性が高いので焚き付けに向いている。針葉樹と広葉樹を混ぜて使ったりすると、キャンプのBBQや焚き火などにも役に立つと思う。また、腐ったり、化学処理された木はストーブを傷めるため、絶対使用しない方がいい。

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https://www.firesidestove.com/howto/firewood.htmlより抜粋

 

テントサウナをすることでわかったのは、良い薪を入手するのは中々難しいということ。薪ストーブを住居に付けている人も同じような悩みを抱えている人が多いようで、馴染みの薪屋さんを見つけるのに四苦八苦することもあるようだ。ちなみに、僕は里山を持っている農家さんから購入しているため、比較的安価で良質な薪を手に入れられている。しかし、これも熊本に住んでいるからのメリットであり、他所の土地に住んだらどうなるか…という懸念もある。もし、良質な薪が手に入らないで悩まれる方は以下の方法を試してみて欲しい。

● 地元の森林組合、または営林署に問い合わせる
● 薪業者から購入する
● 果樹園で剪定した木を譲ってもらう
● 山林地主と知り合いになり、間伐材を譲ってもらう
● 地元の役場に問い合わせて、公園の木や街路樹の剪定枝を払い下げてもらう…etc

また、僕が尊敬している薪ストーブオーナーさんのブログ「薪とともに」に詳しい薪の購入方法なども書いているため、テントサウナ購入を考えている方は一読してみて損はないと思う。とにかく、テントサウナは薪が重要!という部分はトライアンドエラーでわかったことだ。

薪とともに…https://www.makitomo.net

 

②火付け、火消し

BBQでも焚き火でもそうだが、火付けが上手く出来ないことには火は使えない。火付けに楽なのはやはりバーナーを使うことだろう。バーナーを選ぶ際にオススメしたいのは家庭用ガスボンベに取り付けられるバーナーを選ぶこと。そうするとスーパーなどで売っているガスボンベに取り付けて使うことが出来、わざわざ専用のボンベを買う必要がないからである。余ったガスボンベは卓上コンロなどにも使える。

f:id:DDDtenkinzoku:20191226013638j:image(家庭用ボンベに付けられるバーナーの一例)


f:id:DDDtenkinzoku:20191226010400j:imageスウェーデン製ファイアライター。予備に持参したいアイテム)

またもう一つオススメしたいのが、予備でマッチを持って行くことである。もしボンベのガスが切れていても、マッチを用意していたら不測の事態に備えられるからである。オススメしたいのはスウェーデン製のファイアライター。8分も燃える太いマッチであるため、火を付けて放り込めば勝手に薪についてくれるのである。

 

③灰、炭の処理

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f:id:DDDtenkinzoku:20191226014542j:image(火起こし兼用火消し壺。灰や炭は絶対にその場に捨てないこと)

テントサウナが終わって必要なのは灰や炭の処理だ。キャンプ場なら灰捨て場もあるだろうが、無料サイトや川、海などは用意されてないことが多い。そのため、炭や灰の処理は綺麗に行う必要がある。

よく炭は捨てても自然にかえるから…粉々に砕けば大丈夫…と言い、その場に捨てて行く人がいるが、炭化するとほぼ炭素の集まりになる。成分だけでいうと、グラファイトとかダイヤモンドと同じということである。炭素は元素の1つであり、元素はそれを分解しても、別のものに変化しないということである。つまり、炭化した薪は決して自然にかえらないということだ。僕の故郷の西宮でもBBQ後の放置された炭が原因で砂浜の景観が損なわれているという悲しい事例が増えているそうだ(下記リンク参照)

 

バーベキューゴミ増加 西宮・御前浜ピンチ 回収追いつかず 白い砂、炭で黒く…https://mainichi.jp/articles/20190517/k00/00m/040/061000c

 

そのため、テントサウナをされる人は必ず火消し壺を持参して頂きたい。僕のオススメは火付け兼用火消し壺。上下に蓋がついており、両方とも開放すると空気が入り効率的に火付けが出来る。火消しの際には蓋を閉めると空気が遮断されるため、酸素の供給が少なくなり、自然と消化出来るというシステムだ。十分に冷えた炭や灰は冷えたのを確認してから燃やせるゴミとして出せば問題ないが、自治体によって扱いが違うこともあるみたいなので、確認は必要だろう。

偉そうなことを言っているが、お前は捨てたことが無いのか?と言われそうだが、BBQにハマりたての時に炭は捨てても大丈夫!と先輩に言われ、知識不足もあり捨ててしまったことがある。今となっては深く反省している。アウトドアは自然あってのことであるから、自然を傷付ける行為をしてしまったのは本当に後悔の念で一杯である。テントサウナもやはりアウトドア。アウトドア出来る自然環境、後から使う人のことを考えて気持ち良く使いたいものである。テントサウナやる人達はマナー悪いなぁ…なんてキャンプ愛好家の人々に言われたら非常に悲しいし、サウナ愛好家にとっても良くない事態だろう。お互いが思いやり、楽しみたいものであるし、サウナ愛好家の皆様はその心構えが備わっていると信じている。

 

④サウナストーン

f:id:DDDtenkinzoku:20191226021202j:image(ikiストーブに敷き詰められたセラミック製ストーン)

セルフロウリュ式のテントサウナに不可欠なサウナストーン。香花石がサウナストーンとしては一般的なようだが、セラミック製もある。セラミック製は熱衝撃に強く、香花石よりも耐久性が高く、加熱・冷却での形状崩れが起きにくいという部分がメリットだそう。ただ、僕はセラミック製をテントサウナで使ったことがないため、その辺は詳しくわからないが、ストーンは扱い易さ、重量や用途、価格などを考え購入すると良いと思う。

ストーンがなく、河原の石などを代用するケースもあるだろうが、その際は使用後にしっかり冷やしてから元の場所に戻すように心掛けたい。

また、決して立ち入り禁止場所や旧鉱山から石を採取し、個人のものとして所有するのはやめておいた方が良いだろう。何故なら、森林窃盗という罪に該当する可能性があるからだ。鉱石採取など少量の石を個人の趣味で持ち帰るのを黙認している部分もあるが、サウナストーンとなれば使用時に何十キロという重量になる。これを継続して採取を繰り返すと最悪の事態になり得るかもしれない。自治体によっては河川区域内での石の採取に事前に相談が必要な例もあるようだ(下記は新潟県のケース)
繰り返すが、立ち入り禁止場所や旧鉱山などに赴いて何十キロという石を採取するのは、それ相応のリスクがあるということを十分に理解しておきたいものである。

 

新潟県河川区域内での石の採取について…https://www.pref.niigata.lg.jp/sec/itoigawa_seibi/1356814559754.html

 

⑤テントサウナをする場所

テントサウナをする上で1番悩むのが場所である。キャンプ場であっても使えない場所が多いため、手当たり次第、キャンプ場のオーナーに使って良いか確認しているのだが、これもまた骨が折れる作業だ。

ここでオススメしたいのは無料キャンプサイト。無料サイトをまとめたホームページもあり、こういった情報を有効に活用したい。

 

無料&格安 全国キャンプ場 野営地情報…https://camp.tabinchuya.com

 

ただし、注意点がいくつかある。まず、無料サイトだからといって予約不要というわけではなく、中には管理する自治体に届け出が必要な箇所もあることだ。勝手に行って勝手に使用することは治安悪化に繋がる可能性があるからのシステムだろう。

次に無料サイトは灰捨て場が無いことがほとんどである。上記したように炭や灰をその場に捨てるのではなく、持ち帰る必要がある。来た時よりも美しく…そんな心構えが必要なのだ。

また自治体の河川管理課などに問い合わせたら河川敷でBBQやストーブ使用、テント設営可能場所なども教えてくれる所もある。アンテナを多方面に張りながら、お気に入りのテントサウナ場所を探すのも面白いかもしれない。

 

ザッと取り止めのなく、そこまで役に立たないことを書いたのだが、これからテントサウナを購入し遊び尽くそうと考えられている方々の一助になれば幸いである。僕がテントサウナを購入した際に「目立ちたいから買ったんでしょ?」と言ってきた人がいたが、購入理由なんてどうでも良いし、テントサウナを持ってるから偉いなんてこともない。ただただ、自然と一体となってテントサウナを出来る喜びを享受出来ることに感謝したいし、テントサウナからまた一段とサウナの魅力にハマる人が増えることを祈るだけである。