転勤族サウナ愛好家の小規模な生活

関西出身の熊本在住サウナ愛好家。大学進学でおんせん県、就職し彩の国→かごんま→くまモン県と津々浦々と渡り歩く。二児の父らしい。日々あったことをつらつらと書き連ねていきます。

ダンディズム溢れる工業都市の名サウナ!鍛冶町サウナ

九州の玄関口、北九州市小倉藩主・細川忠興が築城した「小倉城」を中心に城下町として栄え、日本の産業近代化以降では製鉄所など巨大工業都市として発展した。またかつては小倉陸軍造兵廠など軍都の役割も持ち、市内の一部にはその名残をとどめる。そんな歴史ある北九州市の中心部、小倉にある鍛冶町サウナ。残念ながら2020年11月20日で閉店し歴史に幕を落とすが、素晴らしいサウナ屋だ。

 

鍛冶町サウナ

住所…福岡県北九州市小倉北区鍛冶町1丁目6-17

電話…093-531-0208

営業時間…10時〜24時
入浴料…3時間コース 1200円
    通常料金 1500円

 

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f:id:DDDtenkinzoku:20201106194911j:image(鍛冶町サウナの入居するテナント。如何にも夜の街といった感じに心踊る)

 

小倉の繁華街のど真ん中に聳える鍛冶町サウナ。土地勘が全く無いため詳しくはわからないのだが、小倉駅付近のアーケード街は商店街といった趣きだが、鍛冶町サウナが居を構えるのはまさに夜の街といった風情の繁華街の中である。周りには飲み屋、スナック、キャバクラに風俗。産業都市を彩るネオン街といった感じだ。訪れたのは昼だったが、夜だとキラキラと輝く帳の中にサウナの看板が現れるのを想像するだけで垂涎ものだ。

 

f:id:DDDtenkinzoku:20201106194916j:image(館内に貼り出されて閉店のお知らせ)

 

店の入口や至る所に閉店のお知らせが貼ってあり、閉店の噂が嘘じゃないのを物語る。上記の通り、繁華街ど真ん中にあり、周りにはスナックなど水商売が多いため、コロナの影響は計り知れなくあるのだろう。ただでさえ北九州市は人口流出、高齢化が止まらないため、街の衰退と共に客足が少なくなるのは容易に想像出来る。萎びた街並み特有の侘び寂び感も好きだが、やはりサウナ施設の閉店は悲しくなる。

 

鍛冶町サウナはフロントで靴を預けてロッカーキーと引き換えるスタイル。ロッカーは一階で浴場は二階にあり、備え付けのサウナパンツを履いて二階への階段を登ると目の前にガラス張りのサウナ。鍛冶町サウナの特徴は浴場と館内の仕切りが無いところである。要するに浴場が剥き出し状態であり、まさにボーダーレスといった感じ。一切仕切りが無いのに館内は湿気も何も感じず、本当に丁寧に管理されている。

 

浴槽は2つあり、低温と高温。低温にはバイブラ。サウナ室も2つ。高温サウナは98度で20人は入れるスペース。寝転べる用の木の枕も。メトス製ストーブの上に湿度コントロールのためか水が入った容器が。カラカラ系でセットを重ねる毎にガツンと来る。発汗も凄まじい。熱圧の素晴らしさに酔いしれる。

 

低温サウナは寝転びゆったり出来る岩盤浴のようなスタイル。こちらもメトス製ストーブ。何故かスパプラザのスローサウナを思い出す。鍛冶町サウナのもう一つの特徴としてサウナに本を持ち込めることだ。常連さんを見てるとほとんどの人が雑誌を持ち込んでいる。本を読みながら汗を流すのもまた乙なものだ。

 

水風呂も非常に綺麗に手入れされ、カラカラ系サウナと相性が良過ぎる。カラカラサウナこそ水風呂が輝く気がする。


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f:id:DDDtenkinzoku:20201106194906j:image(アジフライ、ハムエッグに焼きそば。高級レストランには無い良さがこのレストランにはある)

レストランはスナックといった風情。情緒と味しかない。ママさんと呼びたくなるテキパキ働くスタッフ。男心をいちいち擽るメニューに味。全体的に溢れるバブル期のノスタルジー。今風のビジネスマンではなく、遮二無二働くサラリーマンダンディズムといった感じだろうか。こういうのでいいんだよ、こういうので…と井之頭五郎が呟く画が見えるようだ。

 

残念ながら閉店してしまうが、産業の街の男達を癒やし続けた勇姿は来店した人々の心の中にしっかりと刻まれるだろう。ありがとう鍛冶町サウナ、その姿を忘れることはないよ。