2021年も残すところ一月半余り。日々の過ぎゆく速さはあっという間で個人的には去年より今年の方が一年が経つスピードが早く感じた。昨年からコロナ禍という未曾有の事態がここまで長引くとは思わなかったし、去年から声高に叫ばれているニューノーマルという標語も既にノーマルと化して人々の生活に溶け込んでるような感じもする。
未曾有の事態が続く中でもサウナや温泉、銭湯に行くことが出来ているのは大変恵まれている環境だし、コロナ禍の影響のみならず光熱費など色々と大変な中で営業してくれる温浴施設には本当に感謝の気持ちが溢れるばかりだ。
そこで今回は2021年に行けて良かったサウナ10選ということで記していきたい。昨年も記事にしたが、今回も完全な個人的主観での選定であるため、異論はあると思うが、ご容赦頂きたい。またコロナ禍の影響で九州から出られなかったので、全て九州の施設というのもご理解頂ければ幸いである。ちなみに、昨年度の個人的サウナ10選の記事が気になる方は下記のリンクよりご覧下さい。
https://dddtenkinzoku.hatenablog.com/entry/2020/11/12/222455
長崎県は島原市にあるホテル。ホテルも浴場も綺麗で湯船の種類がとにかく豊富。子供用の陶器風呂、寝湯や美泡風呂などお風呂好きは絶対好きになるし、ナトリウムマグネシウム泉はクセがなく万人受けする泉質。島原の海原を見ながらの露天風呂も堪らない。オートロウリュサウナ、スチームサウナ、男性限定だがセルフロウリュサウナとサウナのバリエーションも豊富。特にオートロウリュサウナは壁材の香りやアロマの香りがとても良く、横須賀の今は亡きサウナトーホーの様な空気感。水風呂は島原の湧水を掛け流し。キンと冷えた感じというよりマイルドな感覚が嬉しい。夏期限定で露天のバイブラバスが水風呂になったり、アイスや無料コーヒーなどのホスピタリティ溢れるサービスも。何故もっと有名にならないのか不思議なくらい素晴らしい施設。
佐賀県の有名な温泉地である武雄温泉にある施設。宿泊施設だが、外観は保養所的な雰囲気でJAとかが運営してそうな感じ。温泉は無色透明で無臭の単純泉なのにアルカリ性が強いからかツルッとした肌触り。やや熱めの温度も良い。サウナはこじんまりしているものの、破壊力抜群でストーンストーブから熱圧がガン!と来るタイプ。低湿のセッティングが更に熱圧を高めてるように感じる。水風呂は膝丈ほどの深さで1人用の小さなサイズだが、蛇口から常に水が注がれているのもフレッシュ感があって良い。10度近くの水温でキンキンに冷えている。水質もクリア感が凄く、音叉のキーンといった音が全身に響くような感覚。バチバチのストロングセッティングのサウナとキンキンの水風呂が間違いなしの相性。素晴らしいの一言。
昨年度も選定した熊本の誇るスパリゾート。3と7のつく日のサウナの日イベントはここ一年で完全に定着した感もあり、知名度は有名店には劣るものの、絶対に外さない抜群の安定感を誇る名店。サウナの日のアロマ氷によるセルフロウリュ、10度という熊本一冷たい強冷水水風呂に日替わり湯の不感湯、露天スペースのインフィニティチェアや畳にハンモックと完璧なまでにツボを押さえたクオリティの高さ。熊本に来てあがんなっせに行かないのは勿体無いと自信を持ってオススメできる施設だ。
普通の銭湯だろうと思って訪れたら完全にやられた名銭湯。昔ながらの銭湯という外観からは想像出来ないバッチバチのセッティングのサウナ。壁や雛壇の下も全てタイルで出来ているため、四方八方から熱が照り返してくる感じが最高。反射熱、輻射熱の権化とも言うべきサウナ。100度キープで湿度もそこそこにあるため、ガッツリと汗をかける。水風呂は青銅で出来たライオンの口から止めどなく水が注ぎ込まれるマイルドながらもキュンとした感覚の水質。水風呂の中にあるステンレス製の踏み台も小倉グリーランドみたいで良き。ツルッとした肌触りで柔らかな感触が身を包む泉質の温泉も良いし、滑り止めのために設置されてる点字ブロックも優しさに溢れている。
別府市の鉄輪温泉地区の住宅街の中にひっそりと佇む温泉。コンクリートで出来た怪しげな雰囲気すら漂う蒸し湯は温泉の蒸気を利用した日本古式のサウナスタイル。ここの蒸し湯の凄いところはスチームの威力!足元から常に唸りをあげる蒸気。熱々で雛壇にも座れないくらいのセッティング。足元から来るため、指先から頭の天辺まで逃げ場がないくらい蒸気に晒される。しかも、温泉の蒸気を利用しているため、硫黄や温泉の成分の匂いが強烈で、しっとりと肌を潤す。過去味わった中で1番のスチームサウナ。水風呂は配管の関係で水が温泉で温まっているため、水温は25度ほど。温泉を如何に活かして利用するか考えた結果、とんでもないクオリティを誇る驚愕の和式サウナ。受付も浴場も昔ながらの感じで年季の入り方が渋さを醸し出す。田舎の親戚の家に来た感じなのもグッとくる。
別府市はやまなみハイウェイに隣接するロードサイド型のスーパー銭湯。元々はパチンコ資本のお店。ドライサウナ、漢方サウナ、塩サウナと3種類。特にドライサウナは遠赤外線の帝王ことオリンピア製ガスストーブから放たれる熱圧、丁度良い湿度感にじっくりと来る室内のセッティングがドンピシャで素晴らしい。水風呂は深さ80センチで十分な深さに10名くらいは入れそうな広々感。17度くらいにチラーで冷やされたパキッとした水質が嬉しい。3種類もサウナがあり、しっかりとした温泉で入浴料450円は破格の一言。
7、サウナ24 宝乃湯(鹿児島県霧島市)
霧島市は国分駅近くの飲み屋街に佇むサウナ24宝乃湯。浴場、サウナは如何にもサウナ屋って感じの作り。湯船よりも水風呂の方が大きいことにサウナ屋としての矜持を感じる。お湯はもちろん沸かし湯だが、こういう施設はそれで良いし、それが良い。ゆったりとした広々スペースのサウナは壁の杉板の香りが良し。88度ほどでやや低湿よりだが苦しくなく、熱圧は中程度。後からじっくりと効いてくるタイプのサウナ。水風呂は膝丈ほどの深さで10名以上入れるであろう広々スペース。ライオンの口から常に水が注がれ、オーバーフローも申し分無し、丸みを帯びた感覚の水質。雑居ビルっぽい雰囲気もある鄙びた建物の2階にあるのも個人的どストライク。こういうサウナ屋さんらしいサウナ屋さんにいつまでも惹かれてしまうんですよね。大将のお人柄も良く、令和版八代センターサウナといった感じか。
昨年度も選定した世界サウナ遺産こと八代センターサウナ。見た目=ホーンテッドマンション、中身=男のサウナ屋、大将=とにかく優しい。一言では語れないほどの濃い時間が過ごせる。恐らく10年後、いや5年後に営業を続けてるかわからないが、こういったサウナが少しでも残ってて欲しいと思わざるを得ない。今まで行ったサウナで1番良かったのは何処ですか?と聞かれると今は亡きスパブラザと即答するだろうが、1番インパクトを受けたサウナは?と聞かれると恐らく八代センターサウナを選ぶと思う。それくらい濃密な体験になること間違いない施設だ。是非とも八代センターサウナと大将が存命のうちに訪れて欲しい。
完全無人営業店、田迎サウナ。ここ数年でサウナ好きの中では言わずと知れた存在になってしまったのは僕としても驚きだが、営業システム、通っている常連さん、熱圧の凄いDIY感ムンムンのサウナ、キラキラの水風呂…などなど全てが愛おしくなるサウナ。訪問するたびに、サウナブーム?サウナ、水風呂、外気浴?ととのった?そんなことはしゃらくせぇ!とりあえず汗かいてスッキリすりゃええねん!とでも言われてるかのような泰然とした感じさえ漂う。サウナの本質こそ田迎サウナにあると訪問された人は感じるのではないだろうか。田迎以上も田迎以下も無し、あるのはサウナと水風呂のみ。迷わず田迎へ行けよ、行けばわかるさ、ありがとう(アントニオ猪木風)
別府の鉄輪温泉で1番有名な温泉は?と聞かれるとひょうたん温泉か鉄輪むし湯と答える地元民も多いだろう。鉄輪温泉を開いた一遍上人が鎌倉時代に創設したといわれる由緒ある場所。石室の床を温泉で熱し、床の上に石菖という薬草を敷きつめ高温で蒸すというスタイル。つまり、日本の古式サウナだ。床一面に敷き詰められた石菖からは何とも言えない独特の芳しい香りが室内に立ち込める。よもぎ、柏の葉、柿の葉にも似たような香りだが、どこかエキゾチックさもある。この香りが何とも言えぬ感じで、薄暗い室内の雰囲気とマッチしてリラックス出来る。一つ残念なのは水風呂が無いことだが、シャワーがあるため水シャワーで体を冷やす。上がった後も仄かに身体から石菖の香りが漂う。別府に来て寄らないのは勿体ないと思える場所。日本古来のサウナを体験出来る貴重な施設だ。
以上が2021年の個人的サウナ10選である。どの施設も素晴らしいサウナであるため、是非機会があれば訪れて欲しい。また昨年からずっと言っているが、新型コロナの影響で大変な中、全国で一つでも多くの施設がこの事態を乗り越えて無事に営業を続けてくれること、早くコロナ禍が終わることを心から祈るばかりである。