転勤族サウナ愛好家の小規模な生活

関西出身の熊本在住サウナ愛好家。大学進学でおんせん県、就職し彩の国→かごんま→くまモン県と津々浦々と渡り歩く。二児の父らしい。日々あったことをつらつらと書き連ねていきます。

温泉熱と石菖を利用した唯一無二のジャパニーズ公式サウナ!鉄輪むし湯

別府温泉大分県別府市内の各地に数百ある温泉の総称であり、別府、浜脇、観海寺、堀田、明礬、鉄輪、亀川、柴石の代表的な8つの地区をまとめて別府八湯とも呼ばれる。その中で温泉街の山手の坂に位置する鉄輪温泉にある鉄輪むし湯。日本でここでしか味わえない石菖を利用した古式サウナであり、学生時代に初めて訪れた時に大変感動して、知人に別府でのオススメを聞かれたら絶対行くべきと伝えている魅力ある施設だ。

 

鉄輪むし湯

住所…大分県別府市鉄輪上1

電話…0977-67-3880

営業時間…6時半〜20時

入浴料…700円(中学生以上入浴可能)
レンタル浴衣220円、Tシャツ短パン持参可

ホームページ…https://www.city.beppu.oita.jp/sisetu/shieionsen/detail11.html

 

f:id:DDDtenkinzoku:20201128150904j:image(何処となく古風な旅館の雰囲気も漂う外観。向かって左側が男性、右側が女性の蒸し湯)

 

鉄輪むし湯は鉄輪温泉を開いた一遍上人鎌倉時代に渋の湯や熱の湯とともに創設した温泉といわれる。入浴法が独特で、8畳ほどの広さの石室の床を温泉で熱し、床の上に石菖という薬草を敷きつめ高温で蒸すというスタイルだ。つまり、日本の古式サウナと言っていいかもしれない。以前は男女混浴であり、湯治場として栄えた歴史を持つ。戦後には戦地から傷付いて引き揚げてきた人々が湯治をした帰りに置いていった松葉杖が大量にあった「千本杖」というエピソードもあるそうだ。

 

f:id:DDDtenkinzoku:20210303143552j:image(鉄輪むし湯の浴場。もちろん温泉であり、塩化物泉のお湯はとても肌触り良し。内湯だけに入りに来る方もいるとのこと。大分県観光情報公式サイトより転載。https://www.visit-oita.jp/spots/detail/4507

 

裸では蒸し湯は入られないため、受付で入力料と貸し浴衣を購入し、館内へ。Tシャツなど持参の場合は貸し浴衣は必要無いため、持って行くのも良いだろう。まず温泉で下半身を洗うように言われ、洗ってから浴衣を着て石室へ。

 

f:id:DDDtenkinzoku:20210303143605j:image

f:id:DDDtenkinzoku:20210303143917j:image(蒸し湯の内観。ビッシリと敷き詰められた石菖が独特の爽やかな芳香を放つ。大分県観光情報公式サイトより転載)

 

床一面に敷き詰められた石菖からは何とも言えない独特の芳しい香りが室内に立ち込める。よもぎ柏の葉、柿の葉にも似たような香りだが、どこかエキゾチックさもある。この香りが何とも言えぬ感じで、薄暗い室内の雰囲気とマッチ。非常にリラックス出来る環境だ。

 

受付のおばちゃんがタイマーを8分に設置して蒸し湯スタート。サウナ愛好家はサウナに慣れてるから汗出るかな?と心配になる人もいるだろうが、それは御無用。5分もすればドッと汗が吹き出すし、足りない人は追加で2分(合計10分)入れるため、想像以上に汗をかける。

 

調べると蒸し状態にすることでテルペン(鎮痛効果がある)を成分とする芳香を放出させて皮膚や呼吸器から体内に吸収するようにしているらしい。岩盤浴と同じでしょ?と思っている人は是非味わってみて欲しい。全く別物だと気付くはずだ。ちなみに、こちらで使用されている石菖は市役所の方が毎週採ってきてくれるそう。石菖を使用している蒸し湯は鉄輪むし湯だけというレアさも最高である。


f:id:DDDtenkinzoku:20210303143824j:image(鉄輪むし湯の俯瞰。以前のむし湯があった建物前の広場には、無料で利用出来る足湯の一種である「足蒸し」が設けられている。大分県観光情報公式サイトより転載)

 

残念なのは水風呂が無いことだが、シャワーはあるため、水シャワーを浴びて熱った体を冷ます。蒸し湯の後に入る温泉も滑らかで非常に気持ち良い。上がった後も仄かに身体から石菖の香りが漂う。真偽はわからないが、香りだけでいうととても薬効ありそうだ。

 

日本の古式サウナが味わえるということは本当に貴重だし、別府に来て寄らないのは勿体ないと本当に思える場所であるため、是非サウナ好きにも体験して欲しい。