「いつか自分の手でサウナを作ってみたい…」サウナ好きなら誰もがそんなことを想像したことは一度はあるだろう。自分好みの、自分が理想とするサウナをこの手で作るなら動線はこうしたり、水風呂はああしたり…などと夢を膨らますが、「でも、DIYスキルが無いしな…時間も無いし…」なんてことで諦めてしまう人もいるのではないだろうか。そんなサウナ好き垂涎もののDIYサウナが熊本の菊池市にある。その名もトトノウバイ。神社仏閣の修繕などを手掛ける工務店の社長さんが作った素晴らしいプライベートサウナだ。
（壁にはサウナイキタイを模したフォントでトトノウバイとプリントされたTシャツ。木の板にも同じロゴが）
熊本県は北部に位置する菊池市の田園地帯にトトノウバイはある。到着するとニコニコと朗らかな社長さんが色々と説明をしてくれ、こだわりポイントなどざっくばらんに様々な情報を話してくれる。「サウナ好きで自分で作りたいと思って作ったんですよ〜薪は木材屋もしてるからタダだし。横に建ててる家にもサウナ作る予定でね。将来的にはトトノウバイを会員制サウナにしようかなと思ってるんです」と和やかな表情で話される社長さんからは本当にサウナが好きなんだなという気持ちが伝わってくる。
（壁から伸びるサウナの薪ストーブの煙突にサウナ室前に設置されたインフィニティチェア。こちらのスペースは将来的に檜風呂になるようだ）
サウナ室は壁材は杉、寝転べるようになってる雛壇は檜と針葉樹の心地良い香りが広がる。寝転ぶように置いてある枕にも木材が入っており、本当に隙が無い。社長さんが薪ストーブの調整方法を丁寧にレクチャーして頂ける。「大体80度くらいが丁度良いですよ〜熱いのが好きならガンガン薪を燃やしていいですし、ゆっくり楽しむなら低めで調整してください」と薪ストーブの調整まで利用者に任せる懐の深さ。自由に自分の好きなタイミングで薪を焚べる。やはり薪ストーブの炎は癒されるな。
（サウナ室の扉にもトトノウバイのロゴが）
薪ストーブの上には100キロのサウナストーン。施設のサウナばりに乗ったストーンに水をかけるとグリーンティーの香りのロウリュが木材の香りと相まって兎に角気持ち良い。寝転ぶと全身で熱を浴びれるのも嬉しいし、雛壇から香るヒノキの匂い。なんだこれ、素晴らしくレベルの高いサウナじゃないか…
（寝転べるようになっている雛壇。杉とヒノキの香りがとてつもなく心地良い）
「このストーブもこだわって選んだんですよ、ストーンもキチンと購入してロウリュして冷えないように積んだけんが、沢山ロウリュしてやってください」と社長が言っていたが、その通りで何回ロウリュしてもへたらないストーン。全体的に広がる蒸気が本当に心地良く体を包み込む。
（薪ストーブの横に薪棚。こちらから薪を自由に焚べる。枕の中にも木のチップが敷き詰められ、横になった時に芳しい香りが。部屋の照明を消すと炎のゆらぎだけになり幻想的に）
「照明を消すとまた雰囲気が良くなるけん、オススメですよ！」とのコメントを思い出し、サウナ室の照明をオフに。薪ストーブのゆらぐ炎の灯りだけになり、一気に雰囲気が幻想的に。これ絶対ストレス解消効果あるわ…などと考えながら薪ストーブの炎だけをずっと見ていた。
（熊本地震で落ちてきた石を使った水風呂。飲用可能な地下水。露天のスペースにもインフィニティチェアが2つ設置されており、水風呂から上がってすぐに寛げる）
水風呂は熊本地震で落ちてきた石を使ってるおり、「オークションで入札したんですよ。ほら、ここにダイナマイトで砕いた雷管の穴があるでしょう？」などと説明してくれる社長。また「この水風呂は飲める地下水を貯めてるんです。冬場は氷が張りますよ〜シングルじゃなくてマイナス水風呂かもしれませんね！」と笑っておられたが、飲める地下水の水風呂とかワクワクが止まらない。
入ってみると、とにかく丸く、柔らかく、包み込むような水質。羽毛布団のような優しい肌触り。5人ほど入れて膝上くらいの深さ。ちなみにお湯も入れられるため、露天風呂にすることも出来るようだ。
熊本のDIYサウナだと天草の光アイランドがあるが、正直比べ物にならないくらいレベルが高い。全部が全部素晴らしく、DIYでこれを作られた社長さんは本当に凄い！過去一と言ってもいいくらい素晴らしい体験をさせて頂いた。本当に感謝が止まらない、ありがとうございました。
