転勤族サウナ愛好家の小規模な生活

関西出身の熊本在住サウナ愛好家。大学進学でおんせん県、就職し彩の国→かごんま→くまモン県と津々浦々と渡り歩く。二児の父らしい。日々あったことをつらつらと書き連ねていきます。

気分はまるで親戚のお宅訪問!人々の営みと優しさに包まれた銭湯、龍の湯

熊本市中央区琴平町。全国的に有名な施設である湯らっくすから近くに位置する閑静な住宅街だ。そんな住宅街の中にある銭湯、龍の湯。まるで親戚の家に来たかのような錯覚に陥いる生活感が溢れた優しい銭湯である。

 

龍の湯

住所…熊本県熊本市中央区琴平本町5-54

電話…096-366-9231

営業時間…15時〜22時

※毎月1・5・11・15・21・25日定休日

入浴料…大人 350円
    子供 150円

ホームページ…https://kuma1010.com/custom/382

 

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龍の湯は昔ながらの住宅街の中にある。そのため、道が細く少しわかりにくい立地だ。住宅街ということもあり、お客さんも近隣の常連さんがほとんど。恐らく長年通い詰めているのだろう。浴場での挨拶や会話のやり取りを聞いていると龍の湯で独自のコミュニティを形成しているのがすぐに理解出来る。こういった人との触れ合いや人間関係が形成されていくのが銭湯の醍醐味であり、味のある部分だと個人的に思う。

 

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f:id:DDDtenkinzoku:20210208201142j:image(ご家族で経営されているらしいが、受付には女将さんがいること多し。奥のスペースには洗濯物が畳まれていたり、生活感がプンプン。まさに親戚の家に来た感じ。公式サイトより転載)

 

暖簾を潜ると番台などはまだ銭湯としての体裁を保っているが、奥のスペースは完全にオーナーさんご家族の個人スペース。公式サイトには映ってないが、ミシンや縫い物、畳まれた洗濯物、新聞や雑誌などが雑然と積まれ、生活感に溢れ過ぎている。いつ訪れても思うのだが、まるで親戚の家に来たかのような錯覚に陥る。整理整頓がされていない人の家に上がるような感覚だが、不快感は一切無く、何故か心地良いくらいだ。この生活感も龍の湯という銭湯の味にすらなっている。


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f:id:DDDtenkinzoku:20210208201145j:image(全体的にこじんまりした脱衣所に浴場。自慢は浴槽に麦飯石を埋め込み柔らかいお湯にしていることらしい。公式サイトより転載)

 

脱衣所、浴場とも如何にも銭湯という感じでこじんまりした小スペース。所々に年季が入り、くたびれている感じはするものの、シャワーやカランなどは新しくされており、まだまだ銭湯としての活力を感じる。麦飯石が埋め込まれた浴槽の効果なのかは不明だが、沸かし湯なのに柔らかくマイルドなお湯。ジェットバスがあるのも嬉しい。交互浴だけでも存分に堪能出来る感じだ。


f:id:DDDtenkinzoku:20210208201124j:image(サウナはオマケ程度の存在感。この辺もこじんまりしていて、如何にも銭湯という感じで愛おしくもある。サウナの手前は水風呂で蛇口から地下水掛け流し。公式サイトより転載)

 

サウナは浴場の端にちょこんと付いている感じであり、年季の入った扉がこれまた愛おしささえ感じるくらい渋さを醸し出す。雛壇2段で5〜6人ほどのこちらもこじんまりしたスペース。天井が意外と高く、昭和レトロなデザインのガラスで出来た照明から照らされる光の加減が良い感じ。TVも音楽も時計も一切無く、とことん己と向き合うスタイル。オリンピア製ガスストーブが鎮座し、85〜88度程度の室温。熱圧や湿度はまさにマイルドといった感じで、例えるなら丸みを帯びた優しい熱という印象だ。

 

水風呂は股下程度の深さであり、2人も入ればいっぱいになる大きさ。同じ熊本の銭湯であるたかの湯より少し大きいくらいの広さだ。蛇口からは熊本の地下水が常に掛け流し。チラーは無いが、20度ほどの肌触り優しい地下水がマイルドなサウナと合わさり心地良い。

 

ガツンとくるサウナ、キンキンに冷やされた水風呂が好きな人には少し物足りないかもしれないが、龍の湯の良さは人々の営みや優しさに溢れる場所としての銭湯ということだと思う。決してスパ銭には出せない銭湯特有の味を感じられるスペースであり、龍の湯はそのような銭湯なのだ。ゆっくりと銭湯の味を堪能したい方には是非訪問して欲しい。